あの人のおはよう
この春から始めたい、
カラダを上手に起こす朝食。
しっかりとカラダを起こすには、朝食をきちんと摂ることが大切です。そして今や季節は春。ぬくぬくと気持ちのいい朝が訪れる時期だからこそ、より“目が覚める”朝食を考えてみたいと思います。今回お話を伺ったのは、「美味しいものと旅」をテーマに活動する〈and recipe〉の山田英季さん。野菜の使い方や健康の観点からのお話はもちろんのこと、“目覚め”の意外なコツを教えてくれました。
カラダは、
「おっ!」と起こそう。
朝食について考える時、私たちはつい、和食か洋食かの二択から発想しがちですが、山田さんはそこから違います。「3つの国をイメージしました」と作ってくれたのが今回の朝食。
ピリッと、ホッと温める、
韓国の朝
MENU
明太子と豆腐のおかゆ・クレソンと松の実のナムル・キムチ・ほうじ茶
胃にストンと落ちる、
シンプルな和食
MENU
塩にぎり・スナップえんどうの漬物・出汁巻き卵・春野菜の豚汁・お茶
カラダにじんわり優しい、
パリの朝食
MENU
白いスープ・パン&クリームチーズバター・カフェオレ
韓国?パリ?一見すると、旅が好きだという山田さんの趣向を反映させた食事のように感じますが、実はそこにこそ、カラダを目覚めさせる工夫が盛り込まれていました。
「普段と少し違うものがテーブルに並んでいる時に感じる新鮮さも“目覚め”に繋がると思って」。
この考え方は食材にも一貫しています。例えば ナムル 。“目覚め”の意外なコツを教えてくれました。
見た目や匂い、味も含めて「おっ」と冴えることも大切なのだという。
「春野菜って、緑がきれいですし、視覚的にも目を覚ます気持ちに繋がるかもしれませんね」。
また山田さん曰く、韓国は野菜を摂るのが上手だそうで、“野菜の数だけナムルがある”という言葉まであるそうです。
噛めば噛むほど、
アタマは起きる。
さり気ない工夫として挙げるのが「歯応え」。白菜のキムチや アスパラが入った味噌汁 、 スープの豆 など、噛む回数を増やす食材を盛り込むことで、脳の目覚めを促します。
「口って脳と直結していますし。それに噛んだほうが、食べ物っておいしいんですよ」と語る山田さんが“世の中で一番計算されている料理”として挙げたのがBLTサンド。
「ベーコンがカリカリなので、噛む回数が自然と増えますよね。その咀嚼でレタスやパンを口の中でもう一度調理して混ぜることになる。よくできてますよね!」。
食を楽しむ観点や朝食の観点からも、BLTサンドを見直してしまうお話でした。
朝こそ、優しく。
和食の中にある 出汁巻き卵 については、ちょっと意地悪な質問を。山田さん、王道すぎでは?
「気分にもよると思いますが、カラダって朝からそんなに強い味を求めてないですよね。いいお出汁飲んでるって感じが、一番気持ちいいんじゃないかなと思うんです」。
今回の食事を見渡してみると、どれも食べる人のカラダをそっと思いやる、山田さんの優しさに溢れる朝食でした。
カラダにおはよう!は、
こうしよう!