トマトは、サラダごとに品種を使い分け。
今回は、糖度にとことんこだわった「スーパーフルーツトマト」と、甘さと酸味のバランスがよい「フルーツトマト」「甘とまと」の産地の様子をお届けします。
「スーパーフルーツトマト」は、大玉なのに甘いのが特徴。一般的に大玉のトマトは瑞々しくなると言われる中、「他にないものを!」との想いで、長年研究を重ねて生み出された、門外不出のトマトです。
あふれる果汁の甘み、一度体験してみませんか。
「スーパーフルーツトマト」を育てているのは、茨城県桜川市のKさん。ハウス内を毎日3回定点観測しながら栽培しています。
「一歩間違えば枯れてしまう、ギリギリの環境で育てています。病気にかかったり、枯れたりしないように神経を使いますね。」
大きくなりすぎていないか? 木が疲れていないか? 等、じっくり観察しながら水分・肥料の量が決められていきます。
それぞれの日射量が均等だと、味も安定するそう。実が葉の影にならないようにお手入れされています。
「トマトにしっかり太陽があたるよう、葉っぱを中に入れているんです。」
一つひとつの甘さを高めるため、花房1つ当たりの玉数を制御。
「スター状に筋が見えるのは甘い証拠。あと、ヘタの周りが濃い緑なのも甘いですね。」
食べ頃に消費者のもとへ届くよう、春から夏はまだ青みが残るうちに収穫されます。
糖度センサーで9度以上なのを確認後、出荷されていきます。2023年は育ちが良く、取材時には12度近い計測も!
「美味しかったという声や、遠方から買いに来てくれると本当にうれしいです。」
すこしの酸味で甘みが引き立つ「フルーツトマト」と、甘みと旨みのバランスに優れた「甘とまと」。甘いだけじゃない、その魅力をぜひ。
「フルーツトマト」の産地の一つ、高知県日高村。生産者のMさんは、「日高の特産物なので、迷いなく育て始めました。」
味のバランスがよいと言われるフルーツトマト。
「食べたら分かりますが、酸味もあるし、食べ飽きない味です。ちょっと酸味があるから、甘みが引き立つんですよね。」
栽培のポイントは水の管理。
「少なくすると甘いトマトが実ります。痛い目を見ながら覚えていきましたが、ぼくらは見た目だけでも糖度が大体わかりますよ。」
「色々気を遣いますが、一番大切にしているのは水分量。あげすぎたらおいしいトマトにならないし、少ないと枯れてしまうので…。」と迎えてくれたのは、「甘とまと」の生産者のひとり、千葉県旭市のUさん。
収穫したトマトは、その日のうちに出荷。その後、トマトの世話をしながら、育ち具合や生育環境を観察し、その時々に相応しい水分、栄養、温湿度等が判断されます。
「成長点の太さで、必要な水分量も分かりますよ。」
まだ青いうちに収穫されるトマトも多い中、ここでの作業は真っ赤に熟してから。
「中玉のフルティカ種を小さく育てるので、皮の強度があります。はじめは酸がたちますが、数日でなじみます。」
個性あふれるトマトはほかにも!
果肉が厚めの卵型トマト。他の品種よりも熟成期間が長いことも特徴です。ゼリー質が少なめなので、加熱やドライにも適します。
「旨みや甘みが強く、形が崩れにくいので調味料と合わせてもトマトの味をしっかり楽しめますよ。」
山梨県を中心に、地下水を活用して育てられたトマトは、甘み・酸味・コク・香りのバランスが魅力。果肉も柔らかく、ジューシーです。
「植物にとって一番良い環境を整えることで、品種本来の良さがでると考えています。そのまま生で食べるのがおすすめです。」