
ゴツゴツとした見た目とは裏腹に、中は真っ白。
丹波篠山産山の芋は、噛みしめるごとに濃い味と粘りを楽しめる唯一無二の素材です。兵庫県丹波篠山の自然が育む山の芋の力強さ、体験してみませんか?
とろろ、短冊など一般的な食べ方とは違った楽しみ方を提案しようと思ったきっかけは、生産者さんから、サラダの匠・早瀬へ入った一報です。
もともと、お歳暮として重宝された丹波篠山の山の芋ですが、「ギフト需要の変化など、最近、食べてもらいにくくなってきている。どうやったら、食べてもらえるか?と、お声がけいただきました。4~5年前のことになるかな…」
「せっかく地元で大切にされてきた素材なのに、売り先が減ってしまっていることは、非常に残念。そこで、サラダとして提案をすることに」と、2022年、山の芋特有の旨み、甘味を生かしたひと品が誕生しました。
改良を重ねて、今回で3回目の登場になる、このサラダ。噛めば噛むほど甘み・旨みが出てくる丹波篠山の山の芋の持ち味をまっすぐに堪能できることを大切に開発しています。毎回、カット方法や味わいに磨きをかけていて、「今回は、食べやすい短冊切りにしました。粘りが強いので、カットするのも一苦労。けれども、口に入れた瞬間に、味の濃さ、旨み、香り…ほかの長芋では感じられない、山の芋の魅力を存分に味わってもらえると思いますよ」と、にっこり。
江戸時代初期から栽培がはじまったといわれる、丹波篠山の山の芋。
4月頃に植え付け、11月上旬に収穫。1つの種芋から1玉しか採れない貴重な素材です。
ツクネイモという品種で、長芋や自然薯など、ほかの山芋類と比べても、粘り強いのが特徴です。
「山の芋は粘土質の硬い土で生育しています。一般的にやわらかい砂地で育てる長芋に比べ、土の硬さが粘り気の差になっています」と、生産者さん。
「育てる中で大変なのは、機械化できる作業がなく、すべて手作業なこと。成長途中に、複数生えたつるは1つに間引きますし、芋を傷つけないように手掘りで収穫しています」
盆地特有の寒暖差、“丹波霧”と呼ばれる深い霧とともに、肥沃な大地がおいしさを育みます。
げんこつのようにゴツゴツした表面をむくと、内側は真っ白。ほんのりとした甘み、旨みはクセが少なく食べやすい味わいです。「地元では、とろろや短冊切り、お鍋の具材にすることが多いです。アール・エフ・ワンさんのサラダを試食させていただいた時、新しい素材の使い方だと感じましたよ」