このサラダができるまで。
「青木農園産カラフル根菜のサラダ」
素敵な農園の、冬の畑からうまれた一皿。
RF1のサラダは、野菜を育てている人の農園からはじまります。
「青木農園産カラフル根菜のサラダ」は、神奈川県三浦半島の冬の畑からうまれた一皿。土に触れ、野菜に向き合う人のもとを訪ねました。
青木農園は、畑が富士山の方を向き、 目の前に海を望む場所にあります。
〈RF1〉の商品開発者の早瀬、企画担当の若松、購買担当の大野の3人が農園を訪れたのは、12月上旬。空が青く澄んだ冬晴れの日でした。
向かう途中、案内をしてくれた農園の方がこんな話をしてくれました。「この時期になるとね、冬野菜の収穫を知らせる、冷たくておいしい潮風が吹くんです。それを見極めるのも、うちの青木の仕事ですよ」
その日も、旬の訪れを告げているのか、冷たい風が時折強く吹いていました。
農園に着くと、照れたような笑顔で出迎えてくれたのが青木農園・七代目代表の青木紀美江さん。一見すると華奢な女性という印象ですが、野菜の話になるとその表情が変わります。
「私は、季節に合った野菜を作ります。野菜のチカラが一番発揮されるのが、本来の“旬”の時季。だから、人間の都合に合わせて作った野菜より、旬に合わせて作った野菜の方が、断然おいしいんです。野菜も、ちゃんと愛を持って応えてくれますよ」
畑を見渡しながら語るその言葉には、長年、野菜と向き合ってきた人ならではの実感がにじんでいました。
根菜の葉が力強く茂る畑の土は、まるでふかふかとしたベッドのよう。ここにも、青木さんのこだわりが詰まっています。
富士山の噴火がもたらした黒ボク土(火山灰)と赤土が混ざり合う土壌に、放し飼いの鶏の鶏糞を堆肥として還す。畑の畝には雑草がちらほら見え、程よく残すことで、小さな虫や野草を共生させ、自然の循環を息づかせています。
野菜づくりは、人と自然が掛け合わさってできるものだと改めて気付かされます。
早瀬が初めて青木農園を訪れた日のことを、こんなふうに振り返りました。
「青木さんと握手をしたとき、ああ、“農家の手”をしているな、と思ったんです。私もサラダの研究のために畑をやっているからわかる。一生懸命やっている人の手だなって」
野菜に話しかけるように向き合い、愛情をたっぷりかけて育てる。その姿勢に触れたとき、この人となら一緒にサラダを作りたい——。そんな予感があったのかもしれません。
野菜から愛される青木さんのもとには、レストランのシェフからの野菜のオーダーも届いています。
青木農園の軒先には、いつも収穫したばかりの多品種の野菜が並んでいます。日本の伝統野菜から、ヨーロッパなどの外国原産の珍しいものまで、バリエーションは実に豊か。
その理由は、本物を求める各地のシェフからのリクエストに応えているからだと青木さんは言います。真摯に野菜づくりに向き合う信頼の表れだと感じました。
この日に収穫されていた野菜をご紹介。
一般的な大根に比べビタミン類を多く含む。辛みが少なく、ほんのり甘い。パリッとした食感でサラダ向き。
茎まで赤い。甘みと苦みのバランスが取れた味わい。シャキシャキとした歯応えで漬物に最適。
通常よりも3倍ほど大きいサイズに。「これくらいのサイズがかわいくて好き」と青木さん。
土の上に出ている部分が紫色に染まる。その色合いを活かしてよくサラダに使われる。甘みが強くてジューシー。
外皮も中身も黄色。香りは控えめで、優しい甘さ。しっかりとした歯応えがあり、煮込み料理でも楽しめる。
ヨーロッパではポピュラー。外皮は黒いが中身は白。水分が少なく、辛みは強い。フランス料理などで親しまれる。
※写真下 左から
今回、開発者の早瀬が考案した「青木農園産カラフル根菜のサラダ」。このサラダを考えはじめたときの想いを、こう語りました。
「真摯に野菜づくりに向き合う青木さんを見て、それをサラダから感じられるものにしたいと思いました。まずは、青木さんの農園に欠かせない、伝統野菜の“三浦大根”を軸に考えはじめました」
今回セレクトしたのは、「三浦大根」「黄ビーツ」「赤ビーツ」「青芯大根」、そして「紅くるり」「紫大根」。
冬の青木農園を象徴する、彩り豊かな6種類の根菜です。
野菜そのものの力を信じて、手は加えすぎない。組み合わせることで、それぞれの個性が引き立つように。
早瀬が目指したのは、「冬の青木農園」がそのまま伝わるサラダでした。
若松
青木さんの農園をイメージしたサラダです。いかがでしょう。
青木
うちで食べる時にはこんなふうに切り分けたことがないんですが(笑)、食感の違いがよくわかりますね。
早瀬
根菜が持つ甘みと辛み、苦みのそれぞれのバランスがうまく調和するように、組み合わせも考えました。さまざまな食感の楽しさは、青木さんぽいなと思ってこだわりました。そこに、オリーブオイルでこんがり焼いたじゃこをアクセントにまぜています。うんうん、おいしい(笑)。
青木
ありがとうございます(笑)。それに、本当においしいです。それぞれの根菜の味が、ちゃんと引き立てられています。爽やかな柑橘の香りもいいですね。
早瀬
食べる直前にかけたドレッシングには、柚子果汁を入れています。ほかの味付けは、じゃこでコクを出したオリーブソースだけ。青木さんの野菜は、シンプルな味付けでいいんです。
青木
なるほど! 私にとって〈RF1〉のサラダは、野菜をおいしく食べるための“答え”を教えてくれますね。
早瀬
青木さんの農園を訪ねるたび、宝探し感覚になってワクワクするんですよ。そういう意味では、今日のお宝は、真っ赤なラディッシュ。色がきれい、それにサイズがとっても大きい!
青木
早瀬さんがここに初めて来られた時も、「これは? これは?」って、楽しそうに畑を見られていましたね。いっぺんに全部見せてしまったら興味を持ってもらえなくなってしまうかも、なんて思ってしまうほど(笑)。
早瀬
畑を見るだけで、愛情たっぷりに育てているのがわかったので、大好きになりました。たくさんの品種の野菜がいきいきと育っていて。程よく雑草を抜いた畑は、それはもうきれいに手入れされていて。
大野
商品を発売する時季に、どんな根菜が収穫できるのか。それらを私たちに無理なく卸していただけるのか。私がここに来て相談したのが、9月頃でしたね。
青木
私自身も、野菜の話をしながらどんなサラダができるだろうと想像するのが、とても楽しいんです。やっぱり、仕事は面白がってやるのがいいなって。そうでないと、野菜はおいしくならないし。
早瀬
青木さんと交わす、なんてことのない野菜話が、レシピのアイデアにつながるんですよ。
若松
農家さん、企画者、調理スタッフ、販売スタッフ。一つの商品には、それぞれの想いやこだわりが積み重なっているんですよね。
早瀬
サラダって、みんなが関わって完成させる“作品”なんです。完成して終わり、ではなく、売れ行きの報告もちゃんとしています。
青木
フィードバックは、私にとってうれしいエールです。三浦大根を使ったドレッシングがお客さまから好評だと聞いた時も、うれしかったですし。
若松
早瀬さんがレシピを考えた、「緑の30品目サラダ」で選べる三浦大根のおろしポン酢ソースですね。初めて青木農園さんの野菜を使った商品ですよね。
大野
「三浦大根を使うで!」と早瀬さんから言われて、青木さんのところにあわてて伺ったのを覚えています(笑)。バイヤーという僕の立場からの見解だと、三浦大根のような伝統野菜は積極的に取り入れたいと思う一方で、ある程度のサイズ基準や品質を設けないと商品化するには難しい面もあって。
若松
品質にムラがなく、いつでも美味しい商品が作れるように、早瀬さんとファクトリーのスタッフと何度もレシピを再考しましたよね。
青木
三浦大根を使っていただく需要がある一方で、三浦大根を育てる農家がどんどん減っている現実もあります。
若松
おいしい野菜が世の中から消えてしまうのは、あまりにももったいない。今まさに姿を消しつつある伝統野菜や希少野菜の魅力を、多くの方に広めることこそが、私たちの使命だと思っています。
青木
三浦大根の収穫時期に入ると、地面に膝をついて、やーって無心で引っこ抜く。けっこう大変です。でも、〈RF1〉の商品が野菜のおいしさを引き出してくれて、お客さまからの感想を届けてくれる。その声がある限り、三浦大根を作り続けるのが私の役目だと思っています。
早瀬
ところで、先ほどのラディッシュを試食してみてもいいですか? 次シーズンのアイデアのネタにしたいと思います。
青木
どうぞ、どうぞ(笑)。野菜が必要な時は、実家のお母さんに尋ねるみたいに、いつでも相談にいらしてください。私はずっとこの畑にいますから。
旬の野菜のおいしさをまっすぐ届ける、「青木農園産カラフル根菜のサラダ」。その味わいの奥には、作り手・青木紀美江さんの丁寧な仕事と、野菜への深い愛情があります。
一口ごとの「おいしい」が、産地と食卓をつなぎ、未来の食を育てていく力になる。このサラダを楽しむとき、畑の風景にも思いを寄せてもらえたら
うれしいです。
今回紹介した商品
柚子のさっぱりドレッシング
素材に新たな価値を与えて、食卓へ。生産者とともに、野菜が持つ本来の魅力を惣菜に活かして食文化を次の世代へ伝えていくことが、生産者や産地、地域農業を支える力になることにつながります。食べる楽しさが“食の循環”を支える第一歩!